ヨーガスートラ八支則 図解で簡単に理解
ヨーガスートラは、パタンジャリという人物によって編纂されたとされていて、
全四章、計195の短い韻文で、理論的に整理、構成されたヨーガの教典である。
スートラの成立した時期は、紀元2〜4世紀の間とされているが、
実際には、紀元前に成立していたものを再編纂を重ねて完成したと思われる。
その理由としては、紀元前までさかのぼる箇所、一貫性に欠く記述が多いことが挙げられ、
第二章サダーナ・パーダ(手段)は、紀元前2世紀ごろに生きていた、文典家パタンジャリによって書かれた可能性が高い。
また、インド最古の哲学、サーンキヤ哲学(二元論)をベースに理論的に脱稿されている。
その後、パタンジャリの意志を引き継ぐ人物が現れ、時代を越えて完成したのであろう。
八世紀以降のスートラ注釈、解説などからは、インド哲学の中軸となる、アドヴァイタ・ヴェーダーンタ哲学(不二一元論)の影響を多く受けていることが見てとれる。
スートラとインド哲学の関係は、とても複雑で古代インドの事情に大きく左右されている。
古代インドでは、バラモン教(ヴェーダの宗教)の司祭階級が社会を支配していた。
そして、その階級主義を否定するかたちで誕生したのが 、「仏教(無我論)」と「ジャイナ教(相対論)」。
その後バラモン教はヒンドゥー教に姿を変えるも、身分制度(ヴァルナとジャーティ)は引き継がれていく。
このことでも分かる通り、 古代インドでは新しい宗教が生まては滅びる、栄枯盛衰を繰り返してきた。
このことはインド哲学の世界も一緒である。